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万葉植物
うめ()(鳥梅)(汗米)(宇米)/和名:ウメ(梅)
・説明:バラ科の落葉高木。葉は卵形で縁に細かいぎざぎざがある。早春、葉より先に、白・淡紅・紅色などの香りの強い花を開く。 実は球形で、6月ごろ黄熟し、酸味がある。
 万葉集に詠まれた「梅」は119首






万葉集 4−792
藤原 久須麻呂(ふじわらの くずまろ)
・説明:?−764年 奈良時代の貴族
 春雨を   待つとにしあらし 我がやどの 若木のも   いまだふふめり
 はるさめを まつとにしあらし わがやどの わかぎのうめも いまだふふめり
 歌意:春雨を待っているのでしょうか我が家の庭の梅の若木もまだ蕾のままです。
 郡山万葉植物園 2014.5.12



 

万葉集  (梅花の歌三十二首并せて序)
太宰帥の宅に宴して詠める「梅花の歌」32首
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人  大伴家持の父 
・・・時に初春の     令月の   気淑く風和ぐ  は鏡前の
   ときにしょしゅんの れいげつの きよくやはらぐ うめはきょうぜんの 
 粉を披く   は珮後の   香を薫らす   加以
 ふんをひらく らんははいごの こうをくゆらす しかのみにあらず
 曙の嶺に雲移り       は羅を掛けて     盖を傾く・・・・
 あしたのみねにくもをうつり まつはうすきぬをかけて きぬがさをかたぶく
 歌意:初春のよき月夜で、空気は澄んで風は和ぎ、梅は美女が鏡の前で白粉で装うように花を開き、蘭の香りは身を飾った衣に香を薫ませたような匂いを漂わせている
郡山万葉植物園 2014.5.12


 

万葉集 巻5−815
大武 紀卿(だいにきの まえつきみ) 
・説明:  
 正月立ち  春の来らば   かくしこそ を招きつつ  楽しきを経め
 むつきたち はるのきたらば かくしこそ うめををきつつ たのしきをへめ
 歌意:正月となり新春を迎えたら、梅を招き楽しいときを過ごしましょう。

万葉集 巻5−816
小野 老(おのの おゆ) 
・説明:  
 の花   今咲ける如   散り過ぎず 我が家の園に  ありこせぬかも
 うめのはな いまさけるごと ちりすぎず わがへのそのに ありこせぬかも
 歌意:梅の花よ、今咲いているように散り急がないでこの家の園に咲き続けてよ。

万葉集 巻5−817
粟田 人上(あわたの ひとかみ) 
・説明:  
 の花   咲きたる園の  青柳は   蘰にすべく   なりにけらずや
 うめのはな さきたるそのの あをやぎは かづらにすべく なりにけらずや
 歌意:梅の花の咲いた園に青柳は髪飾りになるほど芽吹いている

万葉集 巻5−818
山上 憶良(やまのうえの おくら) 
・説明:660−733? 奈良時代の官人、歌人
 春されば  まづ咲くやどの の花   独り見つつや  春日暮らさむ
 はるされば まづさくやどの うめのはな ひとりみつつや はるひくらさむ
 歌意:春になるとまず咲く宿の梅の花、一人だけで見ながら過ごすうららかな春の日を

万葉集 巻5−819
大伴 三依(おおともの みより) 
・説明:  
 世の中は  恋繁しゑや   かくしあらば の花にも   ならましものを
 よのなかは こひしげしゑや かくしあらば うめのはなにも ならましものを
 歌意:世間では、恋がにぎわっているらしい。こんなことであるなら静かに、梅の花にでもなりたいものだ。

万葉集 巻5−820
葛井 連大成(ふぢゐの むらじ おほなり) 
・説明:  
 の花   今盛りなり   思ふどち  かざしにしてな 今盛りなり
 うめのはな いまさかりなり おもふどち かざしにしてな いまさかりなり
 歌意:梅の花は今が盛り、気の合う友達と枝を髪にさしましょう、梅の花は今が盛りです。

万葉集 巻5−821
笠 朝臣麿(かさの あそみまろ) 
・説明:  
 青柳    との花を   折りかざし 飲みての後は  散りぬともよし
 あをやなぎ うめとのはなを をりかざし のみてののちは ちりぬともよし
 歌意:青柳と梅の花を折りかざし、酒を飲みましょう、飲んだあとは散っても良い。


万葉集 巻5−822
大伴 旅人(おおともの たびと) 
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人  
 わが園に  の花散る   ひさかたの 天より雪の   流れ来るかも
 わがそのに うめのはなちる ひさかたの あめよりゆきの ながれくるかも
 歌意:我が家にうめの花が散っている、天から雪が降ってくるかもしれない。
昭和万葉の森 2013.4.1


 
陸奥真野万葉植物園 2014.4.22




 
翠ヶ丘公園(みどりがおかこうえん) 2013.12.6


郡山万葉植物園 2014.5.12



  

万葉集 巻5−823
大伴 百代(おおともの ももよ) 
・説明:  
 の花   散らくはいづく しかすがに この城の山に  雪は降りつつ 
 うめのはな ちらくはいづく しかすがに このきのやまに ゆきはふりつつ
 歌意:梅の花の散るは何処 城の山に雪は降っている。

万葉集 巻5−824
阿氏 奥島(あしの おきしま)
・説明:  
 の花   散らまく惜しみ 吾が園の  竹の林に    鴬鳴くも
 うめのはな ちらまくをしみ わがそのの たけのはやしに うぐひすなくも
 歌意:梅の花の散るのを惜しみ、わが園の竹林の鴬は鳴いている。

万葉集 巻5−825
土師 百村(はじの ももむら)
・説明:  
 の花   咲きたる園の  青柳を   蘰にしつつ   遊び暮らさな
 うめのはな さきたるそのの あをやぎを かづらにしつつ あそびくらさな
 歌意:梅の花咲く庭の青柳を蔓(かづら)にしながら一日を遊び暮らそうよ

万葉集 巻5−826
史氏 大原(ししの おほはら)
・説明:  
 うち靡く  春の柳と    吾がやどの の花とを   いかにか分かむ
 うちなびく はるのやなぎと わがやどの うめのはなとを いかにかわかむ
 歌意:たなびく春の柳と、わが庭に咲く梅の花のよしあしをどちらをよしとしようか。

万葉集 巻5−827
山口 若麻呂(やまぐちの わかまろ) 
・説明:  
 春されば  木末隠りて   鴬ぞ    鳴きて去ぬなる が下枝に
 はるされば こぬれがくりて うぐひすぞ なきていぬなる うめがしづえに
 歌意:春になると梢に姿が隠れてしまう、鶯は鳴きながら梅の下枝の方に渡っていった。

万葉集 巻5−828
丹氏 麻呂(たんじの まろ)
・説明:  
 人ごとに  折りかざしつつ 遊べども  いやめづらしき の花かも
 ひとごとに をりかざしつつ あそべども いやめづらしき うめのはなかも
 歌意:人ごとに梅を折りかざして遊ぶのだがひとしをめであまる梅園であるる

万葉集 巻5−829
張子 福子(ちょうしの ふくし) 
・説明:  
 の花   咲きて散りなば 桜花    継ぎて咲くべく なりにてあらずや
 うめのはな さきてちりなば さくらばな つぎてさくべく なりにてあらずや
 歌意:梅の花が咲いて散ってしまったら、つづいて桜の花が咲くようすでまた楽しめる。

万葉集 巻5−830
佐伯 子首(さえきの こびと)
・説明:  
 万代に   年は来経とも  の花   絶ゆることなく 咲きわたるべし
 よろづよに としはきふとも うめのはな たゆることなく さきわたるべし
 歌意:万年の後までも、梅の花は絶えることなく咲き続けるべきだ。

万葉集 巻5−831
板氏 安麿(はんしの やすまろ)
板持安麻呂(いたもちの やすまろ)
・説明:  
 春なれば  うべも咲きたる の花   君を思ふと   夜眠も寝なくに
 はるなれば うべもさきたる うめのはな きみをおもふと よいもねなくに
 歌意:春になって咲いた梅の花よ、あなたを思うと夜も寝られない。

万葉集 巻5−832
荒氏 稲布(あらうじの いなしき)
・説明:  
 の花   折りてかざせる 諸人は   今日の間は   楽しくあるべし
 うめのはな をりてかざせる もろひとは けふのあひだは たのしくあるべし
 歌意:梅の花を折りかざして遊ぶ全ての人は、今日一日が楽しくいこう
  
万葉集 巻5−833
荒氏 稲布(あらうじの いなしき)
・説明:  
 年のはに  春の来らば   かくしこそ をかざして  楽しく飲まめ
 としのはに はるのきたらば かくしこそ うめをかざして たのしくのまめ
 歌意:年ごとに春が来たらこのように梅をかざして楽しく酒を飲もう

万葉集 巻5−834
田氏 肥人(でんしの うまひと)
・説明:  
 の花   今盛りなり   百鳥の   声の恋しき   春来るらし
 うめのはな いまさかりなり ももとりの こゑのこほしき はるきたるらし
 歌意:梅の花が今真っ盛りです。いろんな鳥の声が恋しい春が、やって来たようです

万葉集 巻5−835
高氏 義通(かうじの よしみち)  
・説明:  
 春さらば 逢はむと思ひし の花 今日の遊びに 相見つるかも
 はるさらば あはむともひし うめのはな けふのあそびに あひみつるかも
 歌意:春になったら逢おうと思っていた梅の花よ今日の宴にお互いに逢えたことだ

万葉集 巻5−836
礒氏 法麻呂(ぎしの のりまろ)
・説明:  
 の花   手折りかざして 遊べども  飽き足らぬ日は 今日にしありけり
 うめのはな たをりかざして あそべども あきだらぬひは けふにしありけり
 歌意:梅の花を手折りかざして遊んでもなお飽き足りない日は、今日この日なのだなあ

万葉集 巻5−837
志氏 大道(しのうじの おおみち)
・説明:  
 春の野に  鳴くや鴬    なつけむと 吾が家の園に  が花咲く
 はるののに なくやうぐひす なつけむと わがへのそのに うめがはなさく
 歌意:春の野に鳴く鶯を呼び寄せようと吾が家の庭に梅の花が咲くのだよ

万葉集 巻5−838
榎氏 鉢麻呂(えのうじの はちまろ)
・説明:  
 の花   散り乱ひたる  岡びには  鴬鳴くも    春かたまけて
 うめのはな ちりまがひたる をかびには うぐひすなくも はるかたまけて
 歌意:梅の花が散り乱れている岡のあたりは、鴬が鳴いている。春の到来を待ち受けて

万葉集 巻5−839
田氏 真上(でんしの まかみ)  
・説明:  
 春の野に  霧立ちわたり  降る雪と  人の見るまで  の花散る
 はるののに きりたちわたり ふるゆきと ひとのみるまで うめのはなちる
 歌意:春の野を霧がおおい雪が降っているかと見紛うまでに、梅の花が散ることだなあ

万葉集 巻5−840
村氏 彼方(そんしの おちかた)
・説明:  
 春柳    かづらに折りし の花   誰れか浮かべし 酒坏の上に
 はるやなぎ かづらにおりし うめのはな だれかうかべし さかづきのうえに
 歌意:春柳を蔓に折って、梅の花を誰かが酒盃の上に浮かべた

万葉集 巻5−841
對馬 目高氏 老(つしまの さくわんかうじの おゆ) 
・説明:  
 鴬の    音聞くなへに  の花   我家の園に   咲きて散る見ゆ
 うぐひすの おときくなへに うめのはな わぎへのそのに さきてちるみゆ
 歌意:鶯の鳴き声を聞くたびに吾が家の庭に咲いた梅の花が散っている。

万葉集 巻5−842
薩摩 目高氏 海人(さつまの さくわんかうじの あま)
・説明:  
 吾がやどの の下枝に   遊びつつ  鴬鳴くも    散らまく惜しみ
 わがやどの うめのしづえに あそびつつ うぐひすなくも ちらまくをしみ
 歌意:吾が家の梅の下枝で鶯が鳴いているる花が散ることを惜しみつつ聞いている。

万葉集 巻5−843
土師氏 御道(はにしうぢの みみち) 
・説明:  
 の花   折りかざしつつ 諸人の   遊ぶを見れば  都しぞ思ふ
 うめのはな をりかざしつつ もろひとの あそぶをみれば みやこしぞも
 歌意:梅の花を折って髪に飾って人々が集まり遊ぶのを見ると都のことが思い出される。
    

万葉集 巻5−844
小野氏 國堅(おのうぢの くにかた) 
・説明:  
 妹が家に  雪かも降ると  見るまでに ここだもまがふ の花かも
 いもがへに ゆきかもふると みるまでに ここだもまがふ うめのはなかも
 歌意:愛しい人の家に雪が降るのかと思われるほどに一面に散り乱れる梅の花よ

万葉集 巻5−845
筑前 拯門氏 石足(ちくぜんの じょうもんぢの いそたり)
・説明:  
 鴬の    待ちかてにせし が花   散らずありこそ 思ふ子がため
 うぐひすの まちかてにせし うめがはな ちらずありこそ おもふこがため
 歌意:鶯が待ち焦がれていた梅の花よ、散らずにあってほしい私が恋しく思う人のために

万葉集 巻5−846
小野氏 淡理(おのうぢの たもり)
・説明:  
 霞立つ   長き春日を   かざせれど いやなつかしき の花かも
 かすみたつ ながきはるひを かざせれど いやなつかしき うめのはなかも
 歌意:霞立つ長い春の日をかざし続けても、ますます心惹かれる梅の花よ

万葉集 巻5−849
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人 
 残りたる  雪に交れる   の花   早くな散りそ  雪は消ぬとも
 のこりたる ゆきにまじれる うめのはな はやくなちりそ ゆきはけぬとも
 歌意:残雪にまじって咲く梅の花よ 早くは散るな 雪が消えても
    
万葉集 巻5−850
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人 
 雪の色を 奪ひて咲ける の花 今盛りなり 見む人もがも
 ゆきのいろを うばひてさける うめのはな いまさかりなり みむひともがも
 歌意:雪の色を奪ったように咲いた白梅の花 今が盛りであるのに 見る人がいてほしいものだ
    
万葉集 巻5−851
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人
 我がやどに 盛りに咲ける  の花   散るべくなりぬ 見む人もがも
 わがやどに さかりにさける うめのはな ちるべくなりぬ みむひともがも
 歌意:我が家に盛りに咲いている梅の花は今にも散りそうだ。見る人があってほしいものだ。

万葉集 巻5−852
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人 
 の花   夢に語らく   みやびたる 花と我れ思ふ  酒に浮かべこそ
 うめのはな ゆめにかたらく みやびたる はなとあれもふ さけにうかべこそ
 歌意:梅の花が夢で言うことには、風流な花だと私は思います、どうぞ酒に浮かべてめでてください。


東北の歌枕の地 
大河原町堤梅団地 
梅が枝荘(うめがえそう) 
・場所:宮城県柴田郡大河原町堤字道添1-2 Yahoo!地図
・説明:平安時代、「梅が枝荘」と和歌に詠われるなど、歴史ある梅の里として知られる大河原町
藤原 実方(ふじわらの さねかた) 
・説明:?−999年 平安時代中期の貴族・歌人 中古三十六歌仙の一人
 995年陸奥国司(むつこくし)に任命 実方が馬に乗り笠島道祖神前を通った時、乗っていた馬が突然倒れ、下敷きになって没した。
 鶯の    訪ひこぬ里の  の花   摘みてぞ知れん 梅の操を
 うぐいすの とひこぬさとの うめのはな つみてぞしれん うめのみさおを
 歌意:





か香に のつと日の出る 山路哉
春もやゝ 気しきとゝのふ 月と 
人も見ぬ 春や鏡の うらの
山里は 萬・遲し の花