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宮城県の文学碑
塩竃市 
塩竃百人一首
 1 塩竈の まがきの島の そなれ松 浦さびしくも 年ふけにけり
 2 松たてる まがきの島の 名にぞ聞く かはらぬ色の 人のへだては
 3 塩がまの 誰かはひとり ありときく しりてももゆる 身をいかにせん
 4 春の色は わきてそれとも なかりけり 煙ぞかすむ 塩竈の浦
 5 心あらば そではいかにと あまをとへ おぼろ月よの しほかまのうら
 6 しほかまの の松風 かすむなり 八十島かけて 春や立つらむ
 7 かりが音の 声吹送る 春風に けぶりもなびく 塩竈の浦
 8 よしやただ ちかの塩がま ちかかりし かひもなき身は 遠ざかるとも
 9 しほがまの 浦の煙も たゆむ夜に 月のくまなる うき島の松
10 すまの海士の 心や月に なびくらん けぶりぞよわる 浦の塩竈
11 霧さむき 籬の島の 冬がれに 浪の花もや 色かはるらん
12 立ちのぼる 煙や空に かすむらん みどりもふかき 塩がまのうら
13 松風の 夏たけくまに すずしきは 梢に秋や ちかの塩がま
14 ことうらの 春よりも猶 かすめるや やく塩竈の けぶりなるらん
15 へだてける まがきの島の わりなきに 住むかひなしや ちかの塩がま
16 ながむれば やそ島かけて あさみどりかすみぞたてる しほがまの浦
17 塩がまの 昔の煙 あともなし かすみはすゑに たちかくれども
18 ゆきてみし 昔は遠き みちのくに 思ひいづれば ちかのしほがま
19 たちまよふ けぶりもなみに まがひつつ なのみぞちかの しほがまのうら
20 それもなほ 心のはては ありぬべし 月見ぬ秋の しほがまのうら
21 哀とや かすむにつけて 塩がまの 沖こぐ舟の とほざかる声
22 明けぬとや 釣する舟も 出ぬらん 月に棹さす しほがまのうら
23 はるくれば もとよりたえぬ けぶりさへ かすみと見ゆる しほがまの浦
24 海士の住む まがきの島の いさり火に 色見えまがふ とこ夏の花
25 ふけゆかば 煙もあらじ しほがまの うらみなはてそ 秋のよの月
26 秋ぎりの まがきの島の へだてゆゑ そこともみえぬ ちかの塩竈
27 ながめやる 心のすゑも みちたえて 雪のあしたの しほがまのうら
28 立ちわたる 春の霞も わかれぬ はけぶりになるる しほがまの浦
29 大方も かすめる比と うす煙 たつはならひの しほがまのうら
30 いそにおふる みるめにつけて しほがまの うらさびしくも おもほゆるかな
31 あさくても 春と分けたる 朝ぼらけ かすめる浪は しほがまのうら
32 煙立つ おぼろ月夜の かなしさも 春のうみべに 塩がまの浦
33 春くれば まがきの島に かけてほす かすみの衣 ぬしやたれなる
34 しほがまの けぶりになるる 浦人は かすむもしらで 月やみるらん
35 かきくらし ふるしら雪に しほ竈の浦の煙も たたえやしぬらん
36 立ちのぼる 煙は空に 顕れて 霞よこぎる しほがまの浦
37 さても猶 まがきの島の 有りければ たちよりぬべく おもほゆるかな
38 しほがまの うらふくかぜに 霧はれて やそ島かけて すめる月かげ
39 うらにゐて いのちをかけし もののふは かずさだまれり ちかのしほがま
40 けぶりたつ あまのとまや も見えぬまで かすみにけりな しほがまのうら
41 しほがまの まへにうきたる うきしまの うきておもひの あるよなりけり
42 あけくれは まがきのしまを ながめつつ みやこ恋しき ねをのみぞなく
43 すぎぬとて をしみしきくは さきのこる まがきのしまに とまるなりけり
44 いつしかと 霞みにけりな しほがまの 浦ゆく舟の みえまがふまで
45 いくしほか 染めてかくらん いろめでぬ まがきの島の きしの藤なみ
46 思ひかね 心は空に みちのくの ちかのしほがま ちかきかひなし
47 子を思ふ 声もまがはし しほがまの みしまがくれの まつのともづる
48 しほがまの うらにけぶりは たつらめど 見えぬやはるの かすみなるらん
49 朧(おぼろ)夜の 月にたくもの 煙だに 霞みなそへそ 塩がまの浦
50 あかで入る 月をみよとや 奥つかぜ 煙ふきしく しほがまの浦
51 ゆふされば 松風さむみ 雁なきて 浜ぢさびしき ちかの塩がま
52 ゆめにこそ 宮このことも みるべきを そでになみこす ちかのしほがま
53 塩がまの けぶりや空に たゆむらん 薄雲はるる 春の夜の月
54 ゆふやみに あまのいさり火 みえつるは まがきのしまの 蛍なりけり
55 しほがまの うらにすむとも をし鳥の とふことのはを いつかわすれん
56 さ夜ふけて 物ぞかなしき しほがまの ももはがきする しぎのは風に
57 塩がまに いつか来にけん 朝なぎに つりする船は 爰(ここ)によらなん
58 春のくる いづくはあれど 朝霞 けぶりに深き しほがまの浦
59 あまぶねの かよひこしより しほがまの ほのほいたます おもひつきにき
60 しほがまの うらにはあまや たえにけん などすなどりの みゆる時なき
61 ほかざまに なびくをみつつ しほがまの けぶりやいとど もえまさるらん
62 みし人の 煙になりし 夕より なぞむつまじき しほがまの浦
63 みちのくの まがきわたりは おしなべて わかめかりにと あまも行きかふ
64 いづみには あらぬまがきの しまちかみ なみのこえつつ もるとこそきけ
65 しほがまの いそのいさごを つつみもて みよの数とぞ 思ふべらなる
66 松風に 月影よする 白波の かへるもをしき しほがまの浦
67 あまのたく 煙よりこそ 塩がまの 浦のかすみは 立ちはじめけれ
68 道のくの ちかの浦にて 見ましかば いかにつつじの をかしからまし
69 あま人の 浪間にみゆる 白妙の 衣手かすむ しほがまのうら
70 ちはやぶる 神もねのびと おもへばや けぶりたなびく しほがまの松 
71 きみまさで 煙たえにし 塩がまの うらさびしくも みえわたるかな
72 しおがまの うらさびしくも みゆるかな 八十島かすむ 春の曙
73 としふりて あまそなれたる 塩竈の うらのけぶりは まだぞのこれる
74 しほがまの うらめしとのみ 思ふそらに 恋のけぶりも たちそひにける
75 おなじくは こえてやみまし しらかはの せきのあなたの しほがまのうら
76 いつとなく なみやこすらむ すゑのまつ まがきのしまに 心せよきみ
77 塩がまの うらなれぬらん あまもかく わがごとからき ものはおもはじ
78 しほがまの 浦より外も かすめるを おなじ煙の たつかとぞみる
79 しほがまの うらのひがたの あけぼのに かすみにのこる うきしまの松
80 夕霧の まがきの島や これならん 波にぞはれぬ しほがまの浦
81 しほがまに いつかきにけん とばかりの そのことのはに 昔をぞしる
82 塩がまの 浦のけぶりの 一すぢに たつともみえず かすむ空かな
83 見わたせば 霞のうちも かすみけり 煙たなびく しほがまのうら
84 さとわかず もろこしまでの 月はあれど 秋のなかばの しほがまのうら
85 くものなみ 煙のなみは はれながら おぼろ月よの しほがまのうら
86 みちのくの まがきのしまは 白妙の 浪もてゆへる 名にこそ有りけれ
87 身をこがす ちぎりばかりか いたづらに おもはぬ中の ちかのしほがま
88 しほがまの むかしのあとは あれはてて あさぢが原に うづらなくなり
89 みわたせば たくもの煙 立ちわかれ かすめる方や しほがまの浦
90 あらなみの まがきのしまに 立ちよれば あまこそつねに たれととがむれ
91 いにしへの あまや煙と なりぬらむ 人めもみえぬ しほがまのうら
92 ふるゆきに たくもの煙 かきたえて さびしくもあるか しほがまのうら
93 しほがまの うらかなしかる ふなでかな 霧の籬の 島がくれして
94 こぐ船も 浪のいづくに まよふらん 霞のおくの しほがまのうら
95 宮こにも いかが移さむ 塩竈や 塩干塩満ち 変わる眺めは
96 秋はなほ たちそふなみと 見ゆるかな まがきのしまの しらぎくの花
97 しほがまの うらのけぶりは たえにけり 月見むとての あまのしわざに
98 はるの月 まつにかすみを ふかみどり やまのはもなき しほがまのうら
99 月影の いづくはあれど 春のよの 霞にくもる 塩がまのうら
100  あけくれに さぞな愛で見む 塩竈の 桜の本に 海人のかくれや