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万葉集 巻17−3890〜4031

万葉集 17−3910
大伴 書持(おおともの ふみもち)
・説明:?−?年 奈良時代の官人。旅人の子。家持の弟 
・万葉植物:あふち
 玉に貫く  楝を家に    植ゑたらば 山霍公鳥    離れず来むかも
 たまにぬく あふちをいへに うゑたらば やまほととぎす かれずこむかも
 歌意:薬玉にして紐でつなぐ楝のその楝の木を家に植えたら楝の花に誘われて山ホトトギスが絶えることなく来てくれるでしょうか
郡山万葉植物園 2014.5.12



 

万葉集 巻17−3921
大伴 家持(おおともの やかもち) 
・説明:718−785年 父 : 大伴旅人(おおとものたびと)奈良時代の貴族・歌人 
・万葉植物:かきつばた:杜若、加吉都播多、垣津旗
 杜若    衣に摺りつけ  丈夫の   きそひ猟する  月は来にけり
 かきつばた きぬにすりつけ ますらをの きそひかりする つきはきにけり
 歌意:かきつばたの染料をすりつけた衣を重ね着して、薬草狩りをする月が来ました。
    ますらお:丈夫:官人:勇ましい男子・武士・兵士
昭和万葉の森 2010.4.30




万葉集 17−3944
大伴 池主(おおともの いけぬし)
・説明:?−?年 奈良時代の官人。大伴家持と親接な同族
・万葉植物:をみなえし:おみなえし
 をみなへし 咲きたる野辺を 行き廻り  君を思ひ出   た廻り来ぬ
 をみなへし さきたるのへを ゆきめぐり きみをおもひで たもとほりきぬ
 歌意:女郎花が咲いている野をもとおりめぐっているうちにあなたのことを思い出して
回り道をしてしまいましたよ
郡山万葉植物園 2014.5.12


をみなへし(女郎花)(乎美奈敝之)/オミナエシ(女郎花)



万葉集 巻174006
大伴 家持(おおともの やかもち) 
・説明:718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
・万葉植物:つが
 かきふ  二上山に    神さびて  立てるつがの木 
 かきかぞふ ふたがみやまに かむさびて たてるつがのき もともえも
 
 同常磐に   はしきよし 我がの君を  朝さらず  逢ひて
 おやじときはに はしきよし わがせのきみを あささらず あひてことどひ
 
 されば  手携はりて   射水河   清き河内に   で立ちて
 ゆふされば てたづさはりて いみづかは きよきかふちに いでたちて
 わが立ち見れば あゆの風  いたくし吹けば みなとには 白波高み
 わがたちみれば あゆのかぜ いたくしふけば みなとには しらなみたかみ
 夫婦呼ぶと 州鳥   葦刈ると  海人小舟は  入江漕
 つまよぶと すどりはさわく あしかると あまのをぶねは いりえこぐ
 
 の音高し    そこをしも あやにともしみ しのひつつ 遊ぶ盛りを 
 かぢのおとたかし そこをしも あやにともしみ しのひつつ あそぶさかりを
 天皇の   食す国なれば  御言持ち  立ち別れなば  れたる
 すめろきの をすくになれば みこともち たちわかれなば おくれたる
 君はあれども  玉桙の   道は    白雲の   たなびく山を
 きみはあれども たまほこの みちゆくわれは  はくうんの たなびくやまを
 岩根踏み   越えへなりなば  恋しけく  日の長けむそ  そこ思へば
 いはねをふみ こえへなりなば  こいしけく けのながけむそ そこもへば
 
 心し痛し    ほととぎす 声にあへ貫く  玉にもが  手に巻き持ちて
 
こころしいたし ほととぎす こえにあへぬく たまにもが てにまきもちて
 歌意:数を数える、その二上山に、神々しくそびえ立つ栂の木の、幹も枝も等しく変わらない、そのようにいつも変わらず親しく思う私の大切な貴方を、毎朝、逢って語り合い、夕べには手を携えて射水川の清らかな河原に出で立って、私が立って眺めると、東の風が強く吹くと、湊には白波が高いので、貴方を呼ぶと鳥が鳴き騒ぐ。
 葦を刈る漁師の小舟は、入り江を漕いで、その楫の音が高い。その情景がとても美しく羨ましく、心を惹かれて、風流を楽しむ最中ですが、天皇が統治する国なれば、その命令で、出立して別れなければならない。官道を行く私は、白雲の棚引く山を、岩根を踏み越え隔てたら、貴方を恋しいと思う日々が続くでしょう。それを思うと、心が痛みます。
 ホトトギスの声に玉を貫いて宝玉にして、手に巻きつけて、朝夕に見つめて行きたい。貴方を残してゆくのが心残りです
郡山万葉植物園  2014.5.12




万葉集 17−4016
高市 黒人(たけいちの くろひと)
・説明:?−?年 飛鳥時代の歌人 姓は連
・万葉植物:すすき:
 婦負の野の 押しなべ   降る雪に  屋戸借る今日し 悲しく思ほゆ
 めひののの すすきおしなべ ふるゆき  やどかるけふし かなしくおもおゆ
 歌意:婦負の野の薄を押し靡かせて降る雪の一夜の宿りをする今日は悲しく思われる 
郡山万葉植物園 2014.5.12