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万葉集 巻3−「235〜483」

万葉集 3−259
鴨 足人(かもの きみたるひと)
・説明:?−?年 奈良時代の歌人
・万葉植物:こけ:
 いつの間も 神さびけるか  香具山の  桙杉の本に    むすまでに
 いつのまも かむさびけるか かくやまの ほこすぎがもとに こけむすまでに
 歌意:いつのまに時が過ぎ、神々しくなったのか。香具山の桙(ほこ)のようにまっすぐに伸びている杉の本に、苔が生えるまでに
郡山万葉植物園 2014.5.12



 

万葉集 巻3−277
高市 黒人(たけちの くろひと)/羈旅(たび) 
・説明:?−?年 飛鳥時代の歌人
・万葉植物:つき:
 早来ても  見てましものを 山背の   多賀の群   散りにけるかも
 はやきても みてましものを やましろの たかのつきむら ちりにけるかも
 歌意:もっと早く来て見たかった。山城の多賀の槻の木々の葉は、もう散ってしまった。
翠ヶ丘公園(みどりがおかこうえん) 2013.12.6


 


 万葉集 巻3−289
間人 大浦(はしひとの おおうら)
・説明:?−?年 奈良時代の歌人
・万葉植物:まゆみ:檀、真弓
 天の原   ふりさけ見れば 白まゆみ  張りてけたり  夜道はよけむ
 あまのはら ふりさけみれば しらまゆみ はりてかけたり よみちはよけむ
 歌意:空を振り仰ぐと白真弓を張った様に三日月がかっている。夜道は明るくて良い
 枕詞:春 真弓の木で作った弓を「張る」にかけた
昭和万葉の森 2013.4.1
 

福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園 2014.4.20


2014.4.20



 
万葉集 3−322
山部 赤人(やまべの あかひと) 
・説明:?−?年 奈良時代の歌人 三十六歌仙の一人
・万葉植物:おみのき(臣木)/和名:モミ(樅)
 皇神祖の  神のみことの  敷き座せる 國の盡     湯はしも
 すめろきの かみのみことの しきませる くにのことごと ゆはしも
 さはに在れども 嶋山の   宣しき國と   こごしかも 伊豫の高嶺の
 さはにあれども しまやまの よろしきくにと こごしかも いよのたかねの
 射狭庭の  崗に立たして  歌思ひ   辞思ほしし   み湯の上の
 いざにはの をかにたたして うたおもひ ことおもほしし みゆのうへの
 樹むらを見れば 臣の木も  生ひ継ぎにけり 鳴く鳥の  声も更変らず
 こむらをみれば おみのきも おひつぎにけり なくとりの こゑもかはらず
 遠き代に  神さび徃かむ  行幸處
 とほきよに かむさびゆかむ いでましところ

 歌意:天皇がお治めになっている国には、温泉はたくさんあるが、その中でも島も山も好ましくよい国として、険しくもそびえ立つ伊予の高嶺につづく、射狭庭の岡に立たれて歌を案じ、言葉を練られた。
 この温泉のほとりの木々を見ると臣の木も生い代わって茂りつづけている。
 鳴く鳥の声も変わっていない。遠い末の世までも神々しい姿を保ってゆくだろう、行幸の地は
郡山万葉植物園 2014.5.12


 


万葉集 巻3−330
大伴 四綱(おおともの よつな)
・説明:?−?年 奈良時代の官吏 大宰府防人司佑(さきもりのつかさのじょう)をつとめた
・万葉植物:ふじ:
 藤波の   花は盛りに   なりにけり 平成の京を   思ほすや君
 ふぢなみの はなはさかりに なりにけり ならのみやこを おもほすやきみ
 歌意:藤の花か波のように、今が盛りです。京を思い浮かべるでしょうか我が君は
万葉クリエートパーク中央広場 2010.4.30


翠ヶ丘公園(みどりがおかこうえん) 2013.12.6


郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 3−333
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人  大伴家持の父
・万葉植物:つばな(茅花)(浅茅)(白茅)(茅根)根をほうこん/和名:丈の低いチガヤ
 浅茅原   つばらつばらに 物へば   故りにしし  思ほゆるかも
 あさぢはら つばらつばらに ものもへば ふりにしさとし おもほゆるかも
 歌意:深々と物思いに沈んでいたら故郷のことを思い出した
郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 巻3−334
詠み人知らず
・万葉植物:わすれぐさ(菅草)/和名:ヤブカンゾウ(薮萱草)
 忘れ草   我が紐に付く  香具山の  古りにし里を  忘れむがため
 わすれくさ わがひもにつく かぐやまの ふりにしさとを わすれむがため
 歌意:忘れ草を私の紐に付けます。香具山のあるあの懐かしい古里を忘れられるように
郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 3−379
大伴 坂上 郎女(おおともの さかのうへの いらつめ)
・説明:?−?年 奈良時代の女性歌人。大伴安麻呂の子 母は石川郎女
・万葉植物:さかき:賢木
 ひさかたの 天の原より   生れ来る  神の命    奥山の
 ひさかたの あまのはらより あれきたる かみのみこと おくやまの
 賢木の枝に   しらか付け 木綿取り付けて 斎瓮を   斎ひ掘り据ゑ
 さかきのえだに しらかつけ ゆふとりつけて いはひべを いはひほりすゑ
 竹玉を   繁に貫き垂れ  獣じもの  膝折り伏して  たわや女の
 たかたまを しじにぬきたれ ししじもの ひざをりふして たわやめの
 襲取り懸け   かくだにも 我れは祈ひなむ 君に逢はじかも
 おすひとりかけ かくだにも あれはこひなむ きみにあはじかも
 歌意:天からこられる神さまに、奥の山のさかきの枝にしらかとやゆふを取付けて、竹玉を紐に通して、ひざを曲げて、かよわい女の衣を着て、私はお祈りいたします。あなたに逢えるかも知れないので
 福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園 2014.4.20


2014.4.20


2014.4.20


郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 巻3−382
丹比真人 国人 (たじひの まひとくにひと)
・説明:−年 
・万葉植物:
 鶏(とり)が鳴く 東(あづま)の国に 高山は 多(さは)にあれども 明(あき)つ神の貴(たふと)き山の並立ちの 見が欲し山と神代より人の言ひ継ぎ国見する筑波の山を冬ごもり時じき時と見ずて行かばまして恋(こほ)しみ 雪消(ゆきげ)する 山道
すらを なづみぞ我が来る
 歌意:鶏が鳴く東の国に高い山は沢山あるけれども、現神である貴い山、並び立つ是非見たい山と 神代より言い伝えられてきた国見する筑波山を、冬ごもりの時期に季節外れだとして見ずに行ってしまったならばいっそう恋しくなるだろうなと思いながら、雪解けの山道ではあるが、難儀しながら登ってきたなあ。
 




万葉集 巻3−383
 ( )
・説明:−年 
・万葉植物:
筑波嶺(つくばね)を外(よそ)のみ見つつありかねて雪消の道をなづみ来るかも
 歌意:筑波嶺(つくばね)を遠くから見ているだけではすまず、雪解けの道を難儀しながら来たなあ

 





万葉集 巻3−384
山部 赤人(やまべの あかひと)
・説明:?−?年 奈良時代の歌人 三十六歌仙の一人
・万葉植物:からあゐ:韓藍:からあい(鶏のとさかに似た赤い花をつけます)
我屋戸に  韓藍植えをほし   枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとぞ思ふ
わがやどに 韓藍うえ蒔きおほし かれぬれど こりずてまたも まかむとぞおもふ
 歌意:我が家の庭に韓藍の種を蒔き育てましたが枯れてしまったので懲りずにまた蒔こうと思います。
郡山万葉植物園 2014.5.12



 

万葉集 巻3−387
若宮 年魚麻呂(わかみやの あゆまろ)
・説明:?−?年 奈良時代の歌人 
・万葉植物:ヤマボウシ 万葉名:つみ
 古に    梁打つ人の   無かりせば 此処もあらまし  柘の枝はも
 いにしへに やなうつひとの なかりせば ここにもあらまし つみのえだはも
 歌意:昔に梁を仕掛けた人さえいなかったならばここにも柘の枝があるだろう
福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園  2014.4.20




万葉集 3−404
狭野 茅上 娘子(さのの ちがみの おとめ) 
・説明:?−?年 奈良時代の歌人
・万葉植物:栗:あは
 ちはやぶる 神の社し なかりせば 春日の野辺に  蒔かましを
 ちはやぶる 神の社し なかりせば かすがののべに あわまかましを
 歌意:神の社さえそこになかったら、春日の野辺に粟を蒔きたいのですが
郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 巻3−422
丹生 王(にふの おほきみ)/丹生女王
・説明:年不明 奈良時代の歌人 
・万葉植物:スギ 万葉名:すぎ
 石上    布留の山なる  杉群の   思ひ過ぐべき  君にあらなくに
 いそのかみ ふるのやまなる すぎむらの おもひすぐべき きみにあらなくに
 歌意:石上の布留の山の杉群ではないが、忘れて過ぎてしまうようなあなたではないのに
福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園 2014.4.20


2014.4.20




 万葉集 巻3−434
河(川)辺 宮人(かわべの みやひと) 
・説明:?−?年 飛鳥の河辺宮の宮人の意とする説がある
・万葉植物:つつじ:茵、都追慈、管自、管士
 風早の   美保の浦みの   白つつじ  見れども寂し  忘き人思へば
 かやばやの みほのうらつみの しらつつじ みれどもさぶし なきひとおもえば
 歌意:風が激しい美保の浦白のつつじ、が綺麗に咲いているが、亡くなった人のことを思うといくら見ても楽しい気持ちにならない
  季語:つつじ 春
  風早
(かざはや):風が激しく吹くこと
  昭和万葉の森 2013.4.1




万葉集 巻3−446
大伴 旅人(おおともの たびと)
・説明:665−731年 奈良時代初期の貴族、歌人  大伴家持の父
・万葉植物:ネズミサシ 万葉名:むろのき
 吾妹子が  見し鞆の浦の   室の木  常世にあれど  見し人そなき
 わぎもこが みしとものうらの むろのきは とこよにあれど みしひとそなき
 歌意:妻が見たことのある鞆の浦のむろの木は、今も変わらずにあるが、妻はもういない
福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園 2014.4.20


2014.4.20

 


万葉集 巻3−464
大伴 家持(おおともの やかもち) 
・説明:718−785年 奈良時代の貴族・歌人  父 : 大伴旅人(おおとものたびと)
・植物名:なでしこ瞿麦、瞿、石竹、奈泥之故
 秋さらば  見つつ偲へと  妹が植ゑし  やどのなでしこ 咲きにけるかも
 あきさらば みつつしのへと いもがうゑし やどのなでしこ さきにけるかも
 歌意:秋になったら見てください、と言って妻が植えた撫子が、我が家に咲いたことだよ
翠ヶ丘公園(みどりがおかこうえん)   2013.12.6