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万葉植物
あかね(茜)(茜草)(安可禰)/和名:アカネ
・説明:つる性の多年草 根が赤みがかっている。
    アカネ(茜)の赤い根。草木染めの色
    花期:8〜9月  分布:本州、四国、九州
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「日」「昼」「紫」「君」などにかかる。
     茜という植物そのものを詠んだ歌てはなく情景を詠んでいる。
 万葉集に詠まれた「あかね」は13首 茜という植物そのものを詠んだ歌てはなく情景を詠んでいる。

万葉集 巻1−20
額田王(ぬかたのおほきみ)
 あかねさす 野行き    標野行き  野守は見ずや  君が袖振る
 あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる
 歌意:茜色の光さす紫の野で、あなたは袖を振ってらして、野の番人が見るかもしれませんよ。
 袖を振る:愛情を伝える動作
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「日」「昼」「紫」「
」などにかかる。
昭和万葉の森 2013.4.1


翠ヶ丘公園(みどりがおかこうえん) 2013.12.6


郡山万葉植物園 2014.5.12



万葉集 巻2−169
柿本 人麻呂(かきもとの ひとまろ)
 あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の   隠らく惜しも
 あかねさす ひはてらせれど ぬばたまの よわたるつきの かくらくをしも
 歌意:茜色に太陽は照り輝いているが、ぬばたまの実のように黒々とした夜空を渡る月のように隠れるように亡くなった皇子が惜しまれる
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「」「昼」「紫」「君」などにかかる。

万葉集 巻2−199
柿本 人麻呂(かきもとの ひとまろ)
 ・・・・さす   日のことごと 鹿じもの  い匍ひ伏しつつ・・・
 ・・・・あかねさす ひのことごと ししじもの いほひふしつつ・・・
 歌意:

万葉集 巻4−565
賀茂 女王(かもの おおきみ)
 大伴の   見つとは言はじ さし   照れる月夜  直に逢へりとも
 おほともの みつとはいはじ あかねさし てれるつくよに ただにあへりとも
 歌意:あなたを見たとは言いますまい。明るく輝く月夜に、直接逢ったとしても

万葉集 巻6−916
車持千年(くるまもちちとせ)
 あかねさす 日並べなくに  我が恋は  吉野の川の  霧に立ちつつ
 あかねさす けならべなくに わがこいは よしのがわの きりにたちつつ
 歌意:輝かしい多くの日数がたったわけでもないのに私の恋は、吐くため息が吉野の川の霧となって立ち込めている。

万葉集 巻11−2353
柿本 人麻呂(かきもとの ひとまろ)
・説明:?−?年 飛鳥時代の歌人。名は「人麿」とも表記される
  長谷の  齋槻が下に   わが隠せる妻も   あかねさし
  はっせの ゆつきがしたに わがかくせるつまも あかねさし
  照れる月夜に  人見てむかも
  てれるつくよに ひともてむかも
 歌意:長谷のこんもりと茂る槻の木の下に、ひっそりと隠してある私の妻
    あかあかと照る月夜には、他人が見つけてしまうのではないか

福浦島(ふくうらじま)県立自然植物公園 2014.4.20



万葉集 巻12−2901
詠み人知らず
 あかねさす 日の暮れゆけば すべをなみ 千たび嘆きて  恋ひつつぞ居る
 あかねさす ひのくれぬれば すべをなみ ちたびなげきて こひつつそをる
 歌意:日暮れの頃は、しようもなく千度も深いため息をついてただあなたのことを恋しく思う

万葉集 巻13−3270
 詠み人知らず 
・・寝らむ君ゆゑ  あかねさす 昼はしみらに  ぬばたまの 夜はすがらに・・
・・ぬらむきみゆゑ あかねさす ひるはしみらに ぬばたまの よるはすがらに・
 歌意:浮気中のを詠んだ歌 昼は一日中 夜も一晩中

万葉集 巻13−3297
詠み人知らず 
 玉たすき 懸けぬ時なく 我が思ふ 妹にし逢はねば あかねさす 昼はしみらに ぬばたまの 夜はすがらに 寐も寝ずに 妹に恋ふるに 生けるすべなし 
 
 歌意:

万葉集 巻15−3732
中臣朝臣 宅守(なかとみの やかもり) 
 あかねさす 昼は物思ひ   ぬばたまの 夜はすがらに  音のみし泣かゆ
 あかねさす ひるはものもひ ぬばたまの よるはすがらに ねのみしなかゆ
 歌意:昼はあなたを思い、夜は一晩中声をあげて泣いてばかりいます。

万葉集 巻16−3857
詠み人知らず 
 飯食めど  甘くもあらず  行き行けど 安くもあらず
 いひはめど うまくもあらず ゆきゆけど やすくもあらず
 さす   君が心し    忘れかねつも
 あかねさす きみがこころし わすれかねつも
 歌意:食事をしてもおいしくもない。何処に行こうと心が安まらない。私の体を朱に染める貴方の愛撫を忘れられない。
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「」「昼」「紫」「」などにかかる。

万葉集 巻19−4166
大伴 家持(おおともの やかもち)
・・・娘子らが   玉くまでに  あかねさす 昼はしめらに・・・
・・・めをとめらが たまぬくまでに あかねさす ひるはしめらに・・・
 歌意:少女たちが玉に通す五月の節句の日まで、あかねさす昼は一日中
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「日」「」「紫」「」などにかかる

万葉集 巻20−4455
橘 諸兄(たちばなの もろえ)
/葛城王(かつらき(ぎ)のみこ、かつらき(ぎ)のおおきみ)
 あかねさす 昼は田賜びて  ぬばたまの 夜の暇に    摘める芹これ
 あかねさす ひるはたたびて ぬばたまの よるのいとまに つめるせりこれ
 歌意:昼は班田の仕事をし、夜になってようやく摘んだ芹です。召し上がって下さい。
 茜さす:枕詞:赤い色がさして、美しく照り輝くことから「日」「
」「紫」「」などにかかる。