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郡山万葉植物園
・場所:福島県郡山市喜久田町堀之内字赤津14 Yahoo地図 
・説明:万葉集に歌われた植物の最北限にある植物園です。
 万葉集は約170種類の万葉植物が詠まれているが、ここでは約140種類観賞できます。
 
万葉集 巻17−、巻18

万葉集 17−3910
大伴 書持(おおともの ふみもち)
・説明:?−?年 奈良時代の官人。旅人の子。家持の弟
・万葉植物:あふち()(阿布地)(安不知)(樗)/和名:センダン(栴檀)
 玉に貫く  楝を家に    植ゑたらば 山霍公鳥    離れず来むかも
 たまにぬく あふちをいへに うゑたらば やまほととぎす かれずこむかも
 歌意:薬玉にして紐でつなぐ楝のその楝の木を家に植えたら楝の花に誘われて山ホトトギスが絶えることなく来てくれるでしょうか
郡山万葉植物園 2014.5.12



 
万葉集 17−3944
大伴 池主(おおともの いけぬし)
・説明:?−?年 奈良時代の官人。大伴家持と親接な同族
・万葉植物:をみなへし(女郎花)(乎美奈敝之)/オミナエシ(女郎花)
 をみなへし 咲きたる野辺を 行き廻り  君を思ひ出   た廻り来ぬ
 をみなへし さきたるのへを ゆきめぐり きみをおもひで たもとほりきぬ
 歌意:女郎花が咲いている野をもとおりめぐっているうちにあなたのことを思い出して
回り道をしてしまいましたよ
 郡山万葉植物園 2014.5.12



 
万葉集 巻174006
大伴 家持(おおともの やかもち)
・説明:718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
・万葉植物:つがのき(樛)(都賀乃樹)(栂)/和名:ツガ(栂)
 かきふ  二上山に    神さびて  立てるつがの木 
 かきかぞふ ふたがみやまに かむさびて たてるつがのき もともえも
 
 常磐に   はしきよし 我がの君を  朝さらず  逢ひて
 おやじときはに はしきよし わがせのきみを あささらず あひてことどひ
 
 されば  手携はりて   射水河   清き河内に   で立ちて
 ゆふされば てたづさはりて いみづかは きよきかふちに いでたちて
 わが立ち見れば あゆの風  いたくし吹けば みなとには 白波高み
 わがたちみれば あゆのかぜ いたくしふけば みなとには しらなみたかみ
 夫婦呼ぶと 州鳥   葦刈ると  海人小舟は  入江漕
 つまよぶと すどりはさわく あしかると あまのをぶねは いりえこぐ
 
 の音高し    そこをしも あやにともしみ しのひつつ 遊ぶ盛りを 
 かぢのおとたかし そこをしも あやにともしみ しのひつつ あそぶさかりを
 天皇の   食す国なれば  御言持ち  立ち別れなば  れたる
 すめろきの をすくになれば みこともち たちわかれなば おくれたる
 君はあれども  玉桙の   道は    白雲の   たなびく山を
 きみはあれども たまほこの みちゆくわれは  はくうんの たなびくやまを
 岩根踏み   越えへなりなば  恋しけく  日の長けむそ  そこ思へば
 いはねをふみ こえへなりなば  こいしけく けのながけむそ そこもへば
 
 心し痛し    ほととぎす 声にあへ貫く  玉にもが  手に巻き持ちて
 
こころしいたし ほととぎす こえにあへぬく たまにもが てにまきもちて
 歌意:数を数える、その二上山に、神々しくそびえ立つ栂の木の、幹も枝も等しく変わらない、そのようにいつも変わらず親しく思う私の大切な貴方を、毎朝、逢って語り合い、夕べには手を携えて射水川の清らかな河原に出で立って、私が立って眺めると、東の風が強く吹くと、湊には白波が高いので、貴方を呼ぶと鳥が鳴き騒ぐ。
 葦を刈る漁師の小舟は、入り江を漕いで、その楫の音が高い。その情景がとても美しく羨ましく、心を惹かれて、風流を楽しむ最中ですが、天皇が統治する国なれば、その命令で、出立して別れなければならない。官道を行く私は、白雲の棚引く山を、岩根を踏み越え隔てたら、貴方を恋しいと思う日々が続くでしょう。それを思うと、心が痛みます。
 ホトトギスの声に玉を貫いて宝玉にして、手に巻きつけて、朝夕に見つめて行きたい。貴方を残してゆくのが心残りです
 郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 17−4016
高市 黒人(たけいちの くろひと)
・説明:?−?年 飛鳥時代の歌人 姓は連
・万葉植物:すすき(須々吉)/和名:ススキ()
 婦負の野の 押しなべ   降る雪に  屋戸借る今日し 悲しく思ほゆ
 めひののの すすきおしなべ ふるゆきに やどかるけふし かなしくおもほゆ
 歌意:婦負の野の薄を押し靡かせて降る雪の一夜の宿りをする今日は悲しく思われる
郡山万葉植物園 2014.5.12



万葉集 巻18
 
万葉集 巻184106
大伴 家持(おおともの やかもち) 
・説明:718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
 
・万葉植物:ちさ()/和名:エゴノキ
 大汝    少彦名の   神代より  言ひ継ぎけらく 父母を
 おほなむち くなびこなの かむよより いひつぎけらく ふぼを
 
 見れば貴く   妻子見れば かなしくめぐし うつせみの 世のことわりと
 みればとおとく めこみれば かなしくめぐし うつせみの よのことわりと
 
 かくさまに 言ひけるものを 世の人の  立つる言立て  ちさの花
 かくさまに いひけるものを よのひとの たつることたて ちさのはな
 
 咲ける盛りに はしきよし その妻の子と  朝夕に   笑みみ笑まずも
 さけるもりに はしきよし そのつまのこと あさよひに ほほみみほほまずも
 
 うち嘆き  語りけまくは  とこしへに かくしもあらめや 天地の
 うちなげき かたりけまくは とこしへに かくしもあらめや てんちの
 
 神言寄せて   春花の   盛りもあらむと 待たしけむ 時の盛りぞ
 かみことよせて はるはなの もりもあらむと またしけむ ときのさかりぞ
 はなれいて なげかすいもが いつしかも つかひのこむと またすらむ
 離れ居て  嘆かす妹が   いつしかも 使の来むと   待たすらむ
 
 心寂しく    南風吹き  雪消溢りて   射水川   流る水沫の
 こころさぶしく みなみふき ゆきげはふりて いみづかは ながるみなわの
 
 寄る辺なみ 左夫流その子に 紐の緒の  いつがり合ひて にほ鳥の
 よるへなみ さぶるそのこに ひものおの いつがりあひて にほとりの
 
 ふたり並び居  奈呉の海の  奥を深めて   さどはせる 君が心の
 ふたりならびい なごのうみの おくをふかめて さどはせる きみがこころの
 
 すべもすべなさ
 すべもすべなさ

 歌意:大汝(おほなむち)、少彦名(すくなびこな)の、神代の時代から「父母を見れば尊いし、妻や子を見ればせつないほどに可愛い。これは世の習いです。」と言い伝えられています。こんな風に言われているのに、世の中の常識的な思いなのに、、ちさの花が咲いている盛りに、いとしい妻と朝夕に笑ったり、笑うことなく嘆いて語り合ったことは、「いつまでもこうしていましょうか。天地の神のおかげで、春の花のように栄えるときも来るでしょう。」と待っていた時がきたのです。
郡山万葉植物園 2014.5.12



 
万葉集 18−4109
大伴 家持(おおともの やかもち)
・説明:718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
・万葉植物:つるばみ()/和名:クヌギ(橡)
 紅は    うつろふものぞ 橡の    なれにし衣に  なほ若かめやも
 くれないは うつろふものぞ つるばみの なれにしきぬに なほしかめやも
 歌意:紅で染めた衣はきれいでしょうが、色があせやすいものです。橡で染めた衣は地味でも慣れ親しんでいるので、やはり良いものです。
 郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 18−4116
大伴 家持(おおともの やかもち)
・説明:718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
・万葉植物:よもぎ(余母疑)/和名:ヨモギ(蓬)
 大君の   任きのまにまに 取り持ちて ふる国の   のうちの
 おほきみの まきのまにまに  とりもちて つかふるくにの としのうちの
 
 かたね持ち  玉桙の   道にで立ち  岩根踏み  山越え野
 ことかたねもち たまほこの みちにいでたち いはねふみ やまこえのゆき
 
 都辺に   参ゐしわがを あらたまの 年きがへり  月重
 みやこへに まゐしわがせを あらたまの としゆきがへり つきかさね
 
 見ぬ日さまねみ ふるそら 安くしあらねば  ほととぎす 来鳴五月
 みぬひさまねみ こふるそら やすくしあらねば ほととぎす きなくさつきの
 
 あやめ  かづらき   みづき  遊びぐれど  射水河 
 あやめぐさ よもぎかづらき さかみづき あそびなぐれど いみづかは
 
 雪消溢りて   く水の  いや増しにのみ が鳴く  奈呉江の菅の
 ゆきげはふりて ゆくみづの いやましにのみ たづがなく なごえのすげの 
 
 ねもころに 思ひ結ぼれ   嘆きつつ  が待つ君が  事終はり
 ねもころに おもひむすぼれ なげきつつ あがまつきみが ことをはり
 
 帰りりて   夏の野の  さ百合の花の  花笑みに  にふぶに笑みて
 かへりまかりて
 なつののの さゆりのはなの はなえみに にふぶえみて
 はしたる 今日を始めて  鏡なす   かくし見む  面変はりせず
 
あはしたる けふをはじめて かがみなす かくしつねみむ つらかわりせず
 歌意:
郡山万葉植物園 2014.5.12




万葉集 巻18−4136
大伴 家持(おおともの やかもち)
・説明::718(17)−785年 奈良時代の貴族・歌人 三十六歌仙の一人
    父:大伴旅人(おおとものたびと)
・万葉植物:ほよ(保与)/和名:ヤドリギ(寄生)
 あしひきの 山の木末の   寄生取りて かざしつらくは 千年寿くとそ
 あしひきの やまのこぬれの ほよとりて かざしつらくは ちとせほくとそ
 歌意:山に生えていた木の梢からやどりぎを取って髪に挿したのは皆々の千年の長寿を祝してのことです
郡山万葉植物園 2014.5.12