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宮城県の句碑・歌碑・詩碑
歌枕 籬の島(まがきのしま)
・説明:枕詞の地 塩釜港内の海岸近くにある小島、曲木神社を祭る。
 曲木島(まがきしま)曲木島ともいう
・場所:宮城県塩釜市新浜町1-10-1 Yahoo!地図
 曲木島(まがきしま)










シオーモNo1(No59)/従三位基雅卿
塩竈の まがきの島の そなれ松 浦さびしくも 年ふけにけり
 そなれ松:潮風のために傾いて生えている松
 歌意:塩竃の籬の島に茂る松は、風ですっかり腰が曲がったように地に枝を這わせています。長い年月を経て年老いた松はぽつんと浜辺に茂って、もの寂しそうに見えることです。



シオーモNo2(No88)/経平卿
松たてる まがきの島の 名にぞ聞く かはらぬ色の 人のへだては
 歌意:恋しい人を待つという、松を籬にした名前を持つ「籬島」に尋ねてみましょう。色変わりしに尋ねてみましょう。色変わりしない常緑の松のように、心変わりしないあなたは、今も他人を寄せ付けずに一人の人を待ち続けているのでしょうかと。



シオーモNo11(No72)/(土御門院)
霧さむき 籬の島の 冬がれに 浪の花もや 色かはるらん
 歌意:霜が冷たく降りて、冬枯れした籬の島に寄せる波の花も、きっと寒さで色変わりすることでしょう。



シオーモNo15(No90)/法橋顕昭
へだてける まがきの島の わりなきに 住むかひなしや ちかの塩がま
 歌意:私とあなたを隔てる籬島がいかんともし難いので、「千賀の塩釜」の貝ではないですが、そば近くに住む甲斐もないことですよ。



シオーモNo24(No57)/恵慶法師
海士の住む まがきの島の いさり火に 色見えまがふ とこ夏の花
 歌意:海人達が住む籬の島では、漁り火と見間違えてしまいそうなほどに、撫子の花が色鮮やかに咲き誇っています。



シオーモNo26(No94) 権大納言実量
秋ぎりの まがきの島の へだてゆゑ そこともみえぬ ちかの塩竈
 歌意:秋の霧が籬の島の隔てとなるように、飽きが来て二人の間には隔たりができてしまいました。霧に包まれた千賀の塩竈の所在がわからないように、近くにありながらあなたの消息すらつかめません。



シオーモNo33(No6)/俊恵法師(しゅんえほうし)
春くれば まがきの島に かけてほす かすみの衣 ぬしやたれなる
 歌意:春が来ると籬の島を春霞が立ちこめるが、霞の衣の主は誰なの



シオーモNo37(No10) /源清蔭朝臣
さても猶 まがきの島の 有りければ たちよりぬべく おもほゆるかな
 歌意:これ以上陸奥の歌枕はございませんと言われても、まだ籬の島が残っている。
    籬の島を枕詞で一首詠みましょう



シオーモNo42(No15)/源信明朝臣
あけくれは まがきのしまを ながめつつ みやこ恋しき ねをのみぞなく
 歌意:明けても暮れても籬島を眺めながら、遠くはなれた都を恋しく思っては泣いてばかりおります。
 現代語訳:東北福祉大学教授 花井滋春




シオーモNo43(No16)/権中納言通俊卿
すぎぬとて をしみしきくは さきのこる まがきのしまに とまるなりけり
 歌意:花盛りが過ぎてしまうといって惜しんでいた菊の花がまだ咲き残っていたのは、守りが堅いという籬島に留まっていたからなのですね。




シオーモNo45(No18)/祭主輔親
いくしほか 染めてかくらん いろめでぬ まがきの島の きしの藤なみ
 歌意:一体、幾たび染め重ねたのでしょうか。籬の島の岸に咲く藤の花の見事な色合いは、愛賞せずにはいられないものです。




シオーモNo54(No37)/好忠
ゆふやみに あまのいさり火 みえつるは まがきのしまの 蛍なりけり
 歌意:夕闇の中に見える、海人の漁り火と思われた光は、実は籬の島に飛び交う蛍の光だったのですね。




シオーモNo63(No36)/大納言師氏卿
みちのくの まがきわたりは おしなべて わかめかりにと あまも行きかふ
 歌意:籬島周辺では、あまが若布(わかめ)を求めて盛んに行きかっております。



シオーモNo64(No26)/源 順(みなもとの したがふ/したごう)
いづみには あらぬまがきのしまちかみ なみのこえつつ もるとこそきけ
 歌意:和泉の守(順)と同じ音を持つ泉ではないですが、籬の島が近いので波が島を越して水が漏れるように、梅の実も泉から漏れ出したのだときいております。
(順家の梅の実を隣家の使用人が盗んだ為、それを詫びた主人に対する返歌)



シオーモNo76(No68)/(相模)
いつとなくなみやこすらむすゑのまつまがきのしまに心せよきみ
 歌意:古歌では、「もし、私が浮気心を持ったならば、きっと末の松山を波が越すでしょう」と、ありえないことの譬えとしてよく詠われますが、それがたった今すぐにでも起こるかもしれないと、籬島のようにしっかりと囲いを廻らせて用心してくださいよ、あなた。



シオーモNo86(52)/前大納言為家
みちのくの まがきのしまは 白妙の 浪もてゆへる 名にこそ有りけれ
 歌意:陸奥の籬の島には白く砕け散った荒波が押し寄せてきます。「まがきしま」とは、その白波で籬を結いつけた名前だったのですね。



シオーモNo90(99)/(重之)
あらなみのまがきのしまに立ちよればあまこそつねにたれととがむれ
 歌意:荒波が厳重に取り囲んで人を監視するという、その籬島に立ち寄ると、すぐさま海人がやってきてあなたは誰かと咎めることだ。



シオーモNo93(81)/前中納言為忠
しほがまの うらかなしかる ふなでかな 霧の籬の 島がくれして
 歌意:塩竈の浦を出る舟は籬島の霧に包まれるようにして姿を消していく。その風情は何とはなしにもの寂しく感じられることだ。 



シオーモNo96(49) 覚盛法師
秋はなほ たちそふなみと 見ゆるかな まがきのしまの しらぎくの花
 歌意:籬島の白菊の花が咲き競う秋は、なお一層白波が立っているように見えることですよ。